中古住宅の値段の決め方

中古の一戸建てやマンションの価格はどうして決められるのでしょうか。普通の商品なら買ったときから値下がりするのが一般的ですが、不動産は絵画などとともに”値上がりするもの”といった神話がありました。いうまでもなく、世界にただ一つしかないという特殊な商品だからです。さて、不動産の価格は、原価法、取引事例比較法、収益還元法の三つの方法によって評価されます。原価法は、不動産の費用性に着目した査定方法で、建物などを建築する場合、土地の造成、建築費などにどれだけ費用がかかるか、原価を積み上げていく方式です。取引事例比較法は、市場における取引事例に着目したもので、さまざまな指標で修正して求めます。一般的にはこの手法がもっとも多く用いられています。収益還元法は、収益性に着目したもので、収益(利回り)から適正な不動産価格を算出しようという方法です。いずれの方法も専門的過ぎるので、一般の人は不動産の鑑定評価にはこの原価法、取引事例比較法、収益還元法の三つの方法があり、そのなかで取引事例比較法がもっともよく用いられる手法だということを知っていれば十分でしょう。

【狂乱ブームで暴騰した中古マンション】
中古マンションの査定は、一八項目にわたるマニュアルに基づいて行なわれることを紹介しました。しかし、実際はなかなかその通りに行なわれないケースも多くみられます。たとえば、例が適切ではないかもしれませんが、ときによっては株と同じような思惑で動くケースもあります。つまり、地価の上昇局面や鉄道新線計画などが具体化したときなどは、相場を無視した値付けが行なわれます。昭和六○年ごろから始まった住宅・不動産ブーム時がそうでした。それでは、いくつかの事例で当時を振り返ってみましょう。